右脳

強い農業の文脈

農は「業」なのか

あまり読書をする時間に恵まれないが、気になって読んだ一冊。かなり頷けることのなる書籍だった。特にわかりやすく伝えていたのが、強い農業を理想とする日本の農業政策の文脈と、本来、足元になる農業の実態の相違があからさまに指摘されている点である。農業は生産力をあげ、製造業のように突き進むことができるのか、これは「NO」である。生産力の向上は一定のところまではできるが、限界がある。その限界をどこか無視、無視と言うより軽視しているのではないかと思えるのである。農は生きる支えとなる食の根幹にある。角度を変えながら、言い方を変えながら、農業を再考するきっかけとなる。すっと読めるので、手に取りやすい書籍と思える。

 

 

日本農業新聞に掲載いただきました

コツコツと進める

僕の書籍、地域農業のスプラウトが日本農業新聞に掲載されました。2度目になります。日本農業新聞は、何かとよく取り上げていただいています。書籍と言うのは、何万部とかいうように軽くなるものではないですが、ちょぼちょぼお話をいただけるところもあり、うれしいものです。一つ形にすることは、やはり大切だと思います。中身も大切ですが、恐れずチャレンジしてみる。これ、ほんと大切ですね。第二弾も早くやりたい。もう少しお話をしたいこと、あるわけで。今年はいろいろあって出足から悪いので、巻き返しと言わんばかりに、よかったなということで終わりたいと思っています。

 

書籍こぼれ話①

帯文のどなたに頼むのか

今回の書籍に関して、腰巻のメッセ-ジを誰に頼もうか、悩んだものである。何人かの中で、東京農業大学の川嶋舟先生にお願いすることにした。今仕掛中のCCRCの構想の中で、農業分野で一枚かむことになると思うが、その際に川嶋先生とは出会うことになり、ホースセラピ-というものをはじめて知った。ホースセラピーの場合は、医療、教育、スポーツ・レクリエーションの3つの要素を併せ持ち、しかも心身両面への直接的セラピー効果が認められるといわれているそうだ。農福連携という面で社会貢献できる可能性を知り、今後の農業発展にも重要な視点と行動に繋がるのではないかと思い、川嶋先生にメッセ-ジを頂いた。読んでみれば一目瞭然であるが、素晴らしいメッセ-ジで、大変恐縮している。書籍にも箔がつく。僕とは年齢も近く、温厚な先生で「先生といわず、舟(しゅう)ちゃんと呼んでくれ」と本人は言うが、余りにも恐縮である。帯文に関して、未定稿のゲラを読み込んでいただいたそうだ。一番最初に感想を頂いたのも、川嶋先生である。ホースセラピーをはじめ、農福連携はこれから世の中に広まっていくだろう。親しみを込めて、「舟ちゃん、ありがとうございます!無事、書籍は世の中に出ました」

著者 : 岸保宏
ライフデザインブックス
発売日 : 2017-12-24

メガファ-ムの農業

いざ北陸、福井へ

夏に共同研究をお願いされた。内容は大規模農業における会計思考ということで、中山間地域を主とする僕としては、一気に対象が異なり、勉強になる。会計思考という点ではあまり興味を感じないが、なぜ大規模農業なのか、地域はどうなのか、成り立ちは?会計は?経営は?ブランディングは?など、いろんな話をした。広島で見ている農業とはやはり地域がら違う。まず200ha以上の広大な農地で農業を営むというのは、ほとんど見ることはない。おおよそ集落法人が出来たころは、20haを一つの区分として組織されてきた。このように見ると、10倍も違うわけであるし、県土の4分の3が中山間地である広島県は土地柄的にも難しいわけだ。しかし、これから地域農業はどうしていくべきか、それぞれの取組の中で、新しい知見を得ることができたように思う。大規模には大規模の意味がある。

 

新書を出版します

僕の軌跡

手元に新書が届きました。僕の新書「地域農業のスプラウト」がジャパンライフデザインシステムズ社より出版されます。思えば長い道のりでした。あれこれと雑多なことで手につかず、なかなか書くことも進まずで時間はただただ経過し、書籍の完成が近づくと一抹の寂しさにも襲われます。ただ楽しい仕事でした。僕にとって農業とは何かといったことなど見直すこともできましたし、まだまだ語りつくせていないところも多数、あります。第二段を出せるように、もっともっと研鑽していくつもりです。学術的なものはやはり一般の人には目に触れにくい。なので、こうした新書を選択したのはよかったなと思っております。新しい世界が広がるよう、一皮むけた人生を始めることができればと思います。もしよろしければ、一読ください。そして、このブログにでもご意見を下さい。どうぞよろしくお願いいたします。

 

著者 : 岸保宏
ライフデザインブックス
発売日 : 2017-12-24

謹呈の準備

もう少しで発売

12月8日、次女の誕生日に「地域農業のスプラウト」という新書を発売する。僕が農業にかかわってからの経験や体験をもとに、感じた事、考えたことなどをまとめたものだ。農業から派生した数年の僕のアクションがわかる。僕はそもそも何らかのきっかけになればいいと思っている。農業に関心が少しでも醸成され、何かの刺激になればと思っている。さて今回は一般の新書なので、多くの人に謹呈を送付したり、手渡しをする。100冊はゆうに超える。名刺を目繰り返したり、年賀状の住所録をみたりしたが、やはり送る以上、読んでもらいたいので、読んでくれそうな人を中心に送るつもりでいる。それでもたぶん漏れがある。それは申し訳ないことだが、多くの人とかかわりをもっているんだなと改めて感じた。来週、ようやく完成品(書籍)が届く。実に楽しみである。謹呈の準備もある程度、した。書籍を出すというのも大仕事。これから皆さんの意見を聞いてみたい。好き勝手に書いているので、賛否両論あるだろう。それでいいんじゃないかと思うのだ。

6次産業化、積み重ねの展開

モクモクの新しい風

共同研究を申し込まれて、大規模な農業法人のヒアリングのために、三重県のモクモクファームへ行ってまいりました。台風の影響で、レンタカ-を借りて、滋賀から三重へ。聞くところによると、1985年あたりから、6次産業という言葉が出てくる前に、自らで農業をし、加工し、販売する。お客様の声から活かして、圧倒的な農業展開をされている。はっきりいえば、最近の6次産業を推進するところではなかなか追いつけない。事業の積み重ねによって、6次産業が結果的になったわけだが、よく言われる事業のスト-リーが不特定多数の顧客に伝わっていく。ほんと行ってみて、どういう考えで事業を行っているのかをお聞きして、勉強になった。ホームペ-ジを見てもらえればわかるが、たくさんのことがここでは体験できる。是非、一度は行ってほしいおすすめの場所。

 

規格外野菜をどうするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

農業は天候に左右される

近年の天候不順は農業に大きく左右している。上記、トマト。いわゆる規格外というもので、スーパ-やデパ-トの店頭には並ばない。商品にならない=廃棄となる。4割にのぼる規格外野菜は、加工等にも利用されるが、それでも廃棄されていく野菜はたくさん存在する。見た目が悪い、形が悪いなど、商品として不適合になるが、食べる分にはまったく問題ない。そう思いながら、なかなか流通にはのりにくいのも事実。相談があって子供も連れて行って農場を見せた。食べ物はこういう現実があることを教えるためだ。ちゃんと食べさせたが、おいしいと言っていた。今回、何とかならないかなと相談を受けた量が多く、すべては難しいが、少しでも力になりたい。農業支援といいながら、どこまで自分ができるのかを試されている気がする。もったいないな、確かにこれ。

 

これからの農業を考える

ちりばめられた提言

6人の農業関連で活躍される大学の先生やジャ-ナリスト、農業アナリストで編纂された書。文庫なので、手軽だが、内容は充実した内容である。2015年に138万戸ほどの農家数が、10年後2025年には72万戸という半分、さらに15年後は40万戸まで減っていくとシュミレ-ションだそうだ。その中で、今、日本の農業の向き合う問題とその解決策を示してくれる。解決策といっても容易ではないが、一歩踏み出さなさいことには何も変わらない。必ず「ヒント」のある書だと思う。個人的にもたくさんの学習をさせていただいたが、国家戦略特区の一つに指定された、兵庫県養父市は興味がわいている。行ってみたいなと感じる。日本の農業は成長産業になるのか、激動の今は分岐点である。

 

チュ-リップ祭り

花には人を幸せにする可能性がある

GWのスタ-トは、世羅高原農場から。近年、お客さんもかなり増えている気がするが、ちょうど満開のチッ-リップを見ることができました。農地所有適格法人(かつては農業生産法人という呼称であった)がこのような観光資源を作ることは大賛成である。そもそも世羅町は町ぐるみで6次産業を推進し、全国的にも有名な事例として知られている。今、ある地域資源をどう活かしていくのかは参考になる。東広島、竹原、呉あたりにこうした花が楽しめるところがあってもいいと思う。このぐらいの規模で。