
農業経営の拡大の選択
先日、支援している農家に訪問した時のお話である。株主として企業参入している人と農家のせめぎあい。前者は利益重視であり、損益分岐点を探ろうとしており、その数値化により小さいものが少しずつ大きく展開していけば、大きくなる事業計画を策定したい。後者は売上重視であり、レバレッジをかけて、投資する。拡大すれば、使えるお金も大きくなり、経営展開が広がっていくという考え。どちらも同じゴールは求めているが、その道程がかなり違う。農業経営の管理をどのように数値化し、見えるような会計システムに作り上げ、活用するかは非常に重要なファクタ-である。僕はスモ-ルファ-マ-が増えれば、大きくなるという考えと、莫大な資本を投下できる企業でない限り、掌の中で商売はすべきという考えである。少しの無理なら挽回できるが、それが挽回できなくなる可能性がある。農業の場合、労働力も高齢化から時間単位で測定すると、やはり効率は悪いはずである。また天候に左右される業種を考えると、合理的に進みにくい。変動を加味しないといけないわけである。今回の議論は農業に留まらない、中小企業の問題としても立脚する。大企業もそうだろう。会計で言うと、一つ「変動損益計算書」は使ってもらいたいツール。管理会計はあくまで使う経営者の意思決定だから、強制するものはない。たくさんあるけど、この計算書はもっと使われていい管理表であると思っている。

久々に結集
2,3か月のスパンで、会計や法律など、いわゆるお堅い仕事の人と集まる。とはいっても、気心しれている人ばかりであるので、気を使って飲むことはない。プロジェクトがあれば、かなりの頻度で会うが、僕らの飲みは印象的らしい。4,5年前はかなりやんちゃな飲み方をしていた。面白いもので遊ぶ時はとことん、仕事のときはぐわっと集中できる。すさまじいパワ-がここにはあるように思う。情報共有もでき、かなり楽しい時間であった。勢いがついたときにはカラオケをしにいく。その時にラストソングは「あの素晴らしい愛をもう一度」をみんなで合唱して終わる。いわゆる母校好きな方が歌う校歌みたいものであろうか?今日はいささかお疲れ気味である。しかし、やることも山積みだからやるしかないけれども。

大学生と共に
僕の現在の研究キ-ワ-ドは、農業・飲食業・クラウドファンディングの3つであり、基本は会計を基軸として学術的にまとめている。今回、学生と共にやっている調査は、飲食業の会計を焦点にヒアリングの中から帰納的にまとめていくことを主眼としている。過去の文献をさぐってみても、製造業や建設業などは多く管理会計研究はみられるが、飲食業は皆無に等しい。特に僕の感覚で言えば、成功の要因の一つに会計による経営把握がきちんとなされているところはぶれていない気がする。中小企業、とりわけ小規模なエリアで検討をしているが、どこまで科学的にやっているのか。味はおいしいが当たり前の前提あって、そこかた原価、販売管理費など管理をどうしていくのか。昨日の調査は目がうろこになる話であった。実務でも活かすのは当然として、研究面でも蓄積を重ねていきたいと考える次第。3つのキ-ワ-ドの最後の矢が放っていきたいと思う。

生きた経済社会を映し出す鏡
気の遠くなるような分厚い会計書であるが、中身は会計の何故に答える辞書的な役割を果たしてくれる書籍。ルビも多く打ってくれているし、解説も詳しいので、助かる一冊である。会計の勉強は僕も逃げがちなところはあるが、会計がわからないと経営はできない。根幹にかかわることなので、ここは逃げられないところである。そして、会計は使い方ひとつであり、この道具を正しく使っていくことが大切である。最初から読むのもいいが、興味のある個所から、いや必要な事項にあったときに読むというのでもいいと思う。健全な会計マインドを醸成していく体力作りと期待できる。会計士や税理士といった資格試験にも網羅していると書かれてあるので、受験生にも実務者にも研究者にも役立つに違いないと思っている。ぶっといので、おっと引いてしまいそうだが、会計から逃げないこと。自分にも戒めながら、勉強を続けたい。
配偶者控除はどうなるのか?
そもそも配偶者控除は、見直しの主な目的として、①共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、税に不公平感がでてきていること、②パートやアルバイトの主婦などが「年収103万円の壁」を気にせず働ける環境を整備する、といったところと言えるが、本当に配偶者控除をなくすべきなんだろうか?僕個人としては、ここはなくすべきではないと考えている。夫婦控除がどうなるのかというのもあるが、「主婦の仕事の軽視」というのが、廃止の反対理由だ。確かに主婦の仕事は、お金に結び付かないが、立派な社会の役割だと思っている。女性の社会進出は妨げようということではないが、子育て一つ考えても、この重要な役割よりもビジネスから得るお金という報酬を求めるのはどうかと考えている。税収を上げるのもわかるが、人的控除の中でも配偶者控除はなくすべきでない。主婦の立派な役割を全うできる社会体制を望む。しかし、流れ的には配偶者控除はなくなりそうだと思えるが・・・。

複式簿記はいらない
実務で導入しているクラウド会計のfreee。日々の記録を簡素化し、管理するといったもの。人に薦めて僕はわからん!じゃあ困るから、僕も勉強しているが、会計ソフトはよくできているし、充実しているものの、他社のもので慣れているので、手間なのは手間。特に仕訳が見えにくいのかなと思っている。ただし、中身の精度は高く、慣れればたぶんもっと使い勝手はよくなるのだろう。会計業界はクラウド会計で変わる。これは間違いない流れと踏んでいる。複式簿記はいらない、会計担当者もいらない、税理士もいらない、そうなるんだろうか?もう少し学んでみる。
新築減免の3年を過ぎて
先日、固定資産税のせっぷが届いた。新築一戸建ての場合、3年が、新築マンションの場合、5年が一定の要件を満たせば、1/2に減免される。今回、4年目になり、額が倍に増え、払うのがしんどいなと思う次第である。そもそも固定資産税は賦課方式であり、申告方式でない。つまり、本当にその金額が正しいのかどうかは未知でもある。そんなに価値のあるところに住んでいるとは思えないが、まあ仕方ない。自分のもののようで、実は違う。住宅ローンを抱えていれば、金融機関のものであるし、それがあってもなくとも、固定資産税を課せられるのだから、やはり行政のものであるのだ。税金の徴収の仕方も怖いものである。
クラウド会計の時代が来た
先日、会計事務所向けのクラウド会計セミナ-に参加した。クラウド会計の大手freee(株)の取組には、非常に興味を抱いていた。間違いなく、クラウド会計が主流になり、会計業界は変わると思われた。コンセプトを、①簡単・自動化、②バックオフィス化、③クラウド完結型社会の3つに位置づけ、簿記かつ記帳代行いらずというところを内包したシステムであった。作業の効率化、経営状況のリアルタイムの把握を可能とし、どこの場所でも手軽に会計を構築できる。そして過大なコストもいらない。多くの会計事務所の方が参加をされていたが、「可能性」を感じとったに違いない。少なくとも、活用すべきツールであろうと僕自身は思っている。