生きた経済社会を映し出す鏡
気の遠くなるような分厚い会計書であるが、中身は会計の何故に答える辞書的な役割を果たしてくれる書籍。ルビも多く打ってくれているし、解説も詳しいので、助かる一冊である。会計の勉強は僕も逃げがちなところはあるが、会計がわからないと経営はできない。根幹にかかわることなので、ここは逃げられないところである。そして、会計は使い方ひとつであり、この道具を正しく使っていくことが大切である。最初から読むのもいいが、興味のある個所から、いや必要な事項にあったときに読むというのでもいいと思う。健全な会計マインドを醸成していく体力作りと期待できる。会計士や税理士といった資格試験にも網羅していると書かれてあるので、受験生にも実務者にも研究者にも役立つに違いないと思っている。ぶっといので、おっと引いてしまいそうだが、会計から逃げないこと。自分にも戒めながら、勉強を続けたい。
子供の世界地図
子供が興味を抱いたときに、書籍は特に買うようにしている。買い与えて、自身で考えさせる。手軽に自分の手元においてあげることで、自然に勉強し、身に付くようにと思っている。図鑑として、事典代わりにできるようなものに一つである、今回の世界地図とその諸国の説明がされている。大型の本で非常に子供にも扱いやすいのではないかと思っている。親も一緒に学べると、コミュケ-ションもとりやすくなるだろう。この書籍もよくできているなと感心する。兄弟で教えあうようにいずれはなってほしい。
一生枯れない泉
奥泉光さんの編纂の漱石特集号。今年は、漱石没100年ということでたくさんの催しやこうした特集といったものがあり、漱石を研究していた身としてはどうしても気になる。この本の中にも書いてあるが、漱石の文学について、奥泉光さんは「飲んでも飲んでもまだある、一生枯れない泉」と表現されているが、まさしくそのように思う。研究者においてもたくさんの方が批評や論文が残されているが、色あせることもない。一般の読者にもたくさん愛されている国民的作家であるのは言うまでもないが、同じ作品を読んでも、こうだったのかもしれないとかしばしば思う時がある。だから虜にされるんだろうなと思う次第だ。漱石の作品の中に、夢十夜という小説がある。夢のお話が10夜あるのだが、その最初の1夜で、「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」という文章がある。今年は100年後である。何か問いかけられているような気がしてならない。漱石を知る一冊として、いいのではないかと僕は思う。
| 著者 : 河出書房新社 発売日 : 2016-06-23 |
文化開発を捉える
新規商品を開発するには、どういった着眼点が必要であろうか。この書籍から学べることは、問題の設定の仕方を間違えないこと、深くとらえることであり、新しいコンセプトの価値を創造するには、商品やライフスタイルという生活文化から開発創造をしていく視点である。ちりばめられた具体例もあるので、参考になる。経営学者の三宅先生の書籍なので、大学の講義テキストになのかもしれないが、一般の経営者には十分参考になる。足元にある資源をどう活かしていくのか、自身にも問いかけを行えた良書と巡り合えた。新しい市場を創造していこう。
有望と考える「士業」とは何か
会計事務所にいる身分としては、比較的「士業」関係とはお会いする機会は多い。弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、社会保険労務士、中小企業診断士、土地家屋調査士、行政書士、宅建士(士業にいれるんかな?)などなど。士業はいまや斜陽産業と言われ、かつてのような有望ビジネスと言えなくなった。もちろんどの職種でも勝ち組負け組というか、経営のよしあしはあるが、僕が約15年かかわって、思うのは「中小企業診断士」がビジネスチャンスも多く、稼ぎもいいと思っている。まずそう思うのは、行政からの仕事が多いということだ。特に不況になればなるほど、仕事は増え、経営の立て直しを図る。経営はまず最初だ。弁護士は自分で裁判所に行き、訴状を書きと意外にコマ使い、会計士は上場企業が少なくなっており、税理士化。税理士は、申告中心。記帳代行は自計化による減少し、月々の報酬減。これは情報の摂取がしやすくなっていることによる。司法書士、行政書士は代書・・・、こう考えて、いろいろ会ってきた結果、「中小企業診断士」が一番有望と僕はとらえている。面白いもので、独占業務がない「士業」が一番だというのも、これも面白い。これは個人的見解である。立派な人はたくさんいる。しかし、僕の周りは少なくとも成功者が診断士が多い気がしている。
文化と芸術を足場に
明日の可能性を考えたとき、文化と芸術を拠点にした新しい価値を見出すことが必要になる。20世紀の経済の下支えが文明であるならば、21世紀は文化と芸術を経済のてことして、捉えていく認識が重要視される。こうした視点で整理された書籍を読み直すと、いわゆる「サードポイント」はどこにあるのか。学習の場、生涯学習の場や、価値の流動化された未来価値の位置づけといったところに、動態が移動するということに他ならないか。文化や芸術は一見、ビジネス領域には難しいところだが、視点を整理していくと価値創造を作り上げていくには、マストな部分として、際立させる。非生産性である部分を生産的に考えると、やはりしんどいところはあるが、時代の変遷を考えると、先生の言う「サードポイント」はこれからほんと大切だろう。新書なので手に取りやすい。是非、一読を。
| ライフデザインブックス 発売日 : 2016-09-28 |
情報の「おいしさ」をキャッチする
人間はそれぞれに味覚があり、匂いや食感さまざまな部分で「おいしさ」を感じる。このおいしさは文化や地域にも異なるものもあるが、食に携わったものとして、認識しておかないといけない知識がある。それは言葉の「おいしさ」である。実はこのおいしさは情報で操作していくことも可能であり、「もちもち」や「ジュ-シ-」とか与えられた言葉によって、「おいしさ」をイメ-ジを沸かすことがある。つまり、言葉が持つ力をどう使いこなすという点は、与える側はきちんと理解しておく必要がある。この書籍。「おいしさ」の調査をいろいろ行っており、データがちりばめられているが、随分参考になる。商品開発やマーケティング、ブランディング等々、役立つと思える辞書として、ビジネスの場に置いておくのはいかがであろうか?
配偶者控除はどうなるのか?
そもそも配偶者控除は、見直しの主な目的として、①共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、税に不公平感がでてきていること、②パートやアルバイトの主婦などが「年収103万円の壁」を気にせず働ける環境を整備する、といったところと言えるが、本当に配偶者控除をなくすべきなんだろうか?僕個人としては、ここはなくすべきではないと考えている。夫婦控除がどうなるのかというのもあるが、「主婦の仕事の軽視」というのが、廃止の反対理由だ。確かに主婦の仕事は、お金に結び付かないが、立派な社会の役割だと思っている。女性の社会進出は妨げようということではないが、子育て一つ考えても、この重要な役割よりもビジネスから得るお金という報酬を求めるのはどうかと考えている。税収を上げるのもわかるが、人的控除の中でも配偶者控除はなくすべきでない。主婦の立派な役割を全うできる社会体制を望む。しかし、流れ的には配偶者控除はなくなりそうだと思えるが・・・。
農業ビジネス、成功のための「付加価値戦略」
サスティナブルな農業経営を行うためにも、「儲ける」という利益至上主義を第一義的に念頭に置かず、地域や自然を一体化しつつ、農業に向き合うことが大切になる。こうした視点の中で、説明を加えられている一冊。特に企業の農業参入には役立つ。先進事例から事業計画も含め、農業+αの部分を学べる。高収益な農業ビジネスを実現するために、どう付加価値をつけていくのか、難しい課題でもあるが、ビジネスはここを超えないといけない。
インタ-ネットで人生を変える方法
もう一丁、勝間さんの書籍より。おわりに章で、「『目立ち力』読んで、こんなことを始めました」とネットに書いてください、必ず、検索をかけて私が探しますからと書いてあった。今年はSNSやブログといったものに向き合う時期なのかもしれない。正月に、カール平野敦士さんの書籍を読んだ際に、ブログの重要性を改めて考え、これまで多数の人にやった方がいいと言われたが、しなかった。そこまで意識が高くなかったのだろう。しかし、まだ多くに公開していないが、ブログを読んだよと言われることもあったし、何らかの主張や思想も投げかけられる機会を得た気がする。さて、勝間さんの「目立つ力」。ブログは立体名刺というのもうなづける。多様なメディアの方法がある中で、新しいチャンスを得る機会なのかもしれないと思える。持続的にブログは続けてみようと思っている。勝間さんの書籍は、学ばせてくれる。どの書籍からでもいいと思うが、読んでみるといいと思う。この書籍は読んでなかったな~。