農は「業」なのか
あまり読書をする時間に恵まれないが、気になって読んだ一冊。かなり頷けることのなる書籍だった。特にわかりやすく伝えていたのが、強い農業を理想とする日本の農業政策の文脈と、本来、足元になる農業の実態の相違があからさまに指摘されている点である。農業は生産力をあげ、製造業のように突き進むことができるのか、これは「NO」である。生産力の向上は一定のところまではできるが、限界がある。その限界をどこか無視、無視と言うより軽視しているのではないかと思えるのである。農は生きる支えとなる食の根幹にある。角度を変えながら、言い方を変えながら、農業を再考するきっかけとなる。すっと読めるので、手に取りやすい書籍と思える。