回数券のおじさん

大衆の風呂にて

昔、風呂に行ったときにおじさんが話しかけてきた。内容は回数券の攻略法である。この時期に買うと、安くなって、こう使うと効率的だということを僕にしゃべってくる。どうでもいいと思っていたが、何故か内容を覚えている。この話をし終わると、満足そうにお先にと言って、僕から離れるのである。たわいのない話であるが、こうした話を見知らぬ人としゃべるといいのではないかと最近、思う。回数券がどうのこうのという話は僕が興味があって聞いたわけでもない。しかし、そのおじさんは自分の得た情報がすごいと主張したいのか、それを他人に教えてあげたいという気持ちなのか、いろいろあろうが、まあこんなほのぼのという時間と空間がいるのではと思うものだ。おじさんの顔も覚えていないし、会ってもわからない。ただこんな話をするおじさんはそのおじさんしかいないだろうから、その話をすればわかるだろうが・・・・。