人生の最終駅

最後に「肯定」するための営為

50歳が近づくにつれ、やはり人生を見直すことばかりである。最後に自分の人生を肯定したい。そう思って、そのことが頭を離れない。可能であるならば、すべてオールリセットをして人生をやり直したいが、そうもいかない。それが自分を苦しめるのだが、あれこれと考えてみても、これまでマイナスばかりである。そのマイナスをプラスに転じたいと努力するが、それまでのマイナスが大きすぎて、なかなかそれを覆うほどにはならない。これも僕の生きてきた性である。当座、数年で判断しないといけないと思うのは、学術研究である。①完全に辞める、②完全に分野を変える、③隣接分野に取り組む。今のところ、②が強い。あんまり今やっていることに執着をしていない。みんな「回収」とかいうが、そんな陳腐な発想をしていないのである。やりたい人にチャンスを与えてほしいし、僕は少しだけ大学教育にかかわることができればそれでいいのだ。常勤なんてまっぴらごめんなのだ。やはり生きる道は②な気がするのだが、どうもまだ迷いがある。迷いはその突き進む内容にあり、今の執着とは違う。何をやれば、最後、「肯定」できるのかということだけなのである。